LとRの発音
日本人が「最も苦手」とされる、LとRの区別。昔は、日本語の「ら行」で両方を言ってしまう人が多く、学校の先生だって「らりるれろ」で言っていたように思います。
最近は、LとRは気をつけなきゃ!と意識している人が多いので、全部「ら行」で言う人は減っているように思います。
しかし、日本語にない音なので、発音しにくい音であることに変わりはありません。実際、LとRをネイティブ並みに発音する、なんてなかなか難しい。それ以前に、使い分けできている人は、英語を教える職業の人でさえ、大変少ないです。
・・と、おどかしてしまったでしょうか?でも英語だって「言葉」です!
慣れるまで、練習すれば、誰でもまねできるのです!
心配するより、まずはやってみましょう。
<<<To begin, begin!(まずは、始めることだ!)>>>
「L」( 発音記号:[ l ] )の発音を覚えよう
1.舌先を前歯の裏にちょんとつけます。
2.舌先を前歯の裏につけたまま、声をだします。「う」に似た音が出ます。これが、語末の[ l ]です。school, pool, ball などが「すくーぅ」「ぷーぅ」「ぼーぅ」のように聞こえる時、口の中ではこの状態になっています。
3.声を出したまま、舌先をやさしくはじくように、前歯からはなします。これが語頭・語中の[ l ]です。
単語で練習してみましょう!
like [ láik ]
let[ lét ]
fly[ flái ]
短い文になっても、同じ音を作れるようになれば完成です!
I like dogs. / Let it go. / We can fly!
(めげた人へ、おまけ~~とりあえず、これで代用する手もあります。)
1.単語の最初や途中のLは、日本語の「ラ行」の音で代用します。
2.単語の最後のLは、日本語の「う」で代用します。
次はRの音を練習して、Lとの違いを確かめてみてください!
「R」(発音記号 [ r ] )の音を覚えよう
まずは、日本人にやりやすい方法をご紹介します。
STEP 1 日本語の「ら行」とは違う音を出そう!
1.口をだらんとして、舌と口全体の力を抜きます。
声をだすと、「あいうえお」のどれでもないあいまいな音になるはずです。
あいまいな音、出ましたか?
2.口をだらんとしたまま、少し口をすぼめて、ろうそくを消すときのような口にします。息をだすと、「ふーっ」という感じの音が出ます。
3.口にどこにも力を入れないように注意して声を出します。声を出しながらゆっくりと舌をノドの方向に巻き上げていきます。
4.巻き上げ続けると、上アゴなど、口の中のどこかに舌が触れます。そうしたら行き過ぎです。
口の中のどこにも舌が触れないところまで舌を戻しましょう。ここで声を出してみると・・ちゃんと[ r ]の音に聞こえます。
口の中はこんなイメージです。
5.この舌の位置を覚えておいて、「R」の文字を見たら、「スグ」「見た瞬間」この舌の形ができるように練習しましょう。
「R」「R」「R」・・・と発音してみてください。[ r ]の音になっていますか?
いかがでしょう?口の中で、舌がどこにも触れていない状態って、意外と作りにくいですよね。
まずはこの口の(舌の?)感覚に慣れてください。
STEP 2 単語の中で練習してみよう
6.少し口を大きめに開けて「あー」と言います。
このまま滑らかに、[ r ]の音をくっつけてみましょう。アルファベットの「R」の読みかた[ ɑ’:r ] の発音が出来上がりです。car, park, armなども練習してみましょう。
7.少し口を縦長に大きく開けて「おー」と言います。このまま滑らかに、[ r ]の音をくっつけてみましょう。「or」[ ɔ’:r ]の発音が出来上がりです。door, more, fourなども練習してみましょう。
8.口をだらんとして、1.と同じあいまいな音を出します。そのままゆっくり5.の[ r ]の音をくっつけてみましょう。これが earth, bird, turnなどの音[ ə’:r ]です。
9.最初が[ r ]の単語を練習してみましょう。1~5.の手順で[ r ]の音を作ってから「えぇっ」と言うと redに聞こえます!最後の「d」は、言ったか言わないかわからないくらいで、まずは大丈夫です。同じようにrock, read, runなども練習してみましょう。
★アメリカ風 濃い「R」の音(本格派、よりプロっぽい発音がしたい方向け)は、後ほど「STEP3」でご紹介します★
口を動かして、やってみていただけましたか?
外国語の発音は筋トレ!と考えて、少しずつ毎日やるのが効果的です。しばらくやっていないと、上手な人でも、できなくなっちゃうんですよ!
お悩み別 LとRの発音アドバイス
ケース1:Rの発音が苦手
Rの発音は日本語には無いので、苦手なのは当然です。
日本語と違う筋肉が必要なので、毎日少しずつ練習して口の中の筋肉を鍛えましょう。
ケース2:Rの発音ができる。しかしLもRの発音をしてしまう
英語がある程度できる人、指導者、多少の海外経験がある人に大変多いです。
「なかなか発音がいいな」と思われる人の、最後の砦がこれだったりします。
とにかく「L」を見たら、「舌を巻かない!」に気をつけましょう。
(注意!自分で気が付いていない人が多いので、発音してみて、舌の位置をチェックしてみましょう!!)
ケース3
Lの発音が苦手
これは、実はあまり心配ありません。
単語の途中の「L」は日本語のラ行で代用してもかまいません。
単語の最後につく”L”だけは、「る」と言わずに「う」というつもりで発音してみましょう。
その代わり、「R」は「R」らしく発音して、区別をつけましょう。
アメリカ風の濃い「R」の音を出すには
濃い「R」の音が出せると、ぐっと「プロっぽく」なります。
「プロっぽく」ならなくたっていいよ、というあなた!
実はおまけがあるのです。
「R」の発音は日本語では使わない筋肉を使います。その筋肉がほかの発音でも役に立つんです!ということは、「R」を練習すると、「英語らしく読む、言う」ことがずっと楽にできるようになります。
英語教師、講師の方、人前で読み聞かせをなさる方にぜひトライしていただきたいと思います。
<「R」はアヒルの口の形>
1.口を閉じ、口角を横にひいて、力を入れ、エクボを作ります。(作る「つもり」でOK)
2.口に力を入れたまま「イーッ」と強く言います。5秒位キープしてみて、頬~アゴにかけて、疲れてくると思います。
3.2.の力の入れ具合のまま、声を出しながら舌を巻きあげていきます。そうすると「year」に聞こえると思います。かなり力が要ります。
4.発音し終わった時、舌が口の中でスプーン状にへこんでいるのがわかると思います。口は前から見ると「アヒル」みたいになっているはずです。この状態(口の力の入れ具合、舌の形)を覚え、練習します。鏡を見たら練習する、などと決めておくといいですね!私は、信号待ちの時に必ずする、と決めてやっていました。
<単語の中での練習>
5.car, or, word など発音したときに、4.の状態になっているかチェックしながら毎日練習します。
6.red, rockなど「R」から始まる単語は、4.の状態をきちんと作ってから始めます。7.brown, tree, greatなどが大変難しいです。どんな子音の後でも、4.の状態をいったん作る練習をします。
口の筋肉が必要なので、1週間毎日、朝晩練習すると少しできるようになります。そうしたら、1ヶ月位意識して、音読などをしていると、かなり「ほんもの」らしくなりますよ!